バズ・ラーマンの『ロミオ+ジュリエット』で、ティボルト役が、たぶんメキシコ訛りの英語をしゃべって、ゴルチエか!みたいな、いかにもカトリックっぽい(=中南米っぽい)血を流すキリストのぴったりしたシャツで、黒と銀を多用したラティーノ・ダンディで、んで、最初の銃撃戦のところ、どうみても、ウェスタンかマカロニ・ウェスタンの雰囲気だよ(英語では、マカロニ・ウェスタンって、スパゲッティ・ウェスタン)。これってなに?

西部劇の舞台は主にニュー・メキシコだし、「悪役」なのはだいたいメキシコ人(というか、スペイン系メキシコ人)だよなぁ、だとすると、ティボルト役が、いかにも中南米風なのは、意味があるかも、みたいなことを考えている。
なんかないかなぁ。ウェスタンかマカロニ・ウェスタンにおけるメキシコ人表象、と、考え中。

西部劇についての教養がないので、泥縄作業中。

西部劇が、先住アメリカ人や、アフリカ系アメリカ人ステレオタイプ的な「悪役」として描いてきたことに、批判があって、ということは、どっかで聞いたような気がするけど、中南米系の表象のことは、考えたことがなかった。

また、西部劇では、19世紀後半の西部に、たしかにそこにいたはずの、アジア系(とくに中国系)労働者や、開拓者としての女性(バーの色っぽいおねえちゃんは別として)の存在が消去されてきたことが問題にされていたような。

うーん、『ブロークバック・マウンテン』での、中南米系の表象はどうなってたっけ?

カリフォルニアでの中南米系の表象のありかた、というとこからすると、『ブレード・ランナー』までたどりつけるか。


プロテスタントアメリカや、イギリスから見た、「スペインの黒い伝説」とか「異端審問表象」とか、の話につなげることができるといいんだけど。

ティボルト役はJohn Leguizamo。「3人のエンジェル(1995)」では、メキシコ出身のドラァグ・クィーンを演じていた。ドラァグ・クィーンといっても、コーカソイドとアフリカ系と中南米系では、いろいろ立場の違いがあって・・みたいな話だったような。一番、低く見られるのが、中南米系、だったかな。話全体としては、ちょぉっとぉ、ヒューマン・ドラマすぎぃ、とか、田舎の貧しいコーカソイド女性に、いけてる女っぽさをレクチャーするのが、コーカソイドの、♂の、上流階級出身の、ドラァグ・クィーンっていう設定って、どうよ?と思った覚えあり。