ずっと書いてなかった。もう少しはまとまりがつくようにしたい(が、ダメに決まってるじゃんとも思っている)年末。

読みかけ。Gerald Horne, Race War! White

Race War!: White Supremacy and the Japanese Attack on the British Empire

Race War!: White Supremacy and the Japanese Attack on the British Empire

日本軍の香港占領前後のことを調べている関係でぶつかった本。パールハーバー、ブラック・クリスマス(日本軍香港占領)前後の時期の、アフリカ系アメリカ人の日本軍の動向に関する反応について、半分くらいのページが割かれている。アフリカ系アメリカ人コミュニティ(とくにハーレム)では、親日派と、共産主義系の親中国・反日派とがあったらしい。これとリンクして考えるといいかな、と思っていることふたつ。

ひとつめ。八島太郎、光、Mako関係。
宇佐見承『さよなら日本ーー絵本作家・八島太郎と光子の亡命』。私は『日本平和論体系20』(日本図書センター)で読んだ。
「入国からそのころまでのふたりの行動をこころよく思わぬ一群のひとがいた。”ダウンタウン・アカ”とよばれた日本人たちである。
当時ニューヨークに住む三千人の日本人は、外交官や大会社の社員たちの上層グループと零細企業の労働者を中心とする移民に大別されていた。(中略)」p. 438
八島(岩松)太郎と光が、日本での左派弾圧を逃れてアメリカに渡るのが1940年。ふたりは戦時中は反日本軍プロパガンダ、戦後、朝鮮戦争期は反共運動に関係していくことになる。
光が大正末期の文化学園で学び、「左傾」していった、という経緯も面白い。文化学園周辺は、台湾などの植民地で創作した画家などを育てたはずで、そういった画家をモデルにしたと思われる、日本語で書かれた文学もかなりの数ある様子。
もともとは、Makoへの興味から読んだ『さよなら日本ーー絵本作家・八島太郎と光子の亡命』だったけど、宇佐見氏が書かれている通り、光がまたすごい!サンフランシスコの「気持会」(光が創設メンバーのひとり)のこと、こっちにいるうちに調べられるものは調べなくては。
Makoは、Geishaで、悪徳軍人役で出ていたような・・・。ともあれ、ハーレムにおける政治思想(共産主義・資本主義)による対立と、「人種」による互助関係や対立との、ねじれた関係、もちょっと調べてみる必要ありそう。
太郎について、英語の研究書が近々でるはず。要チェック。

ふたつめ。

East Goes West

East Goes West

で、主人公がグリニッジ・ヴィレッジに連れられていく場面がある。時代は1930年代。Younghill Kangについては、1990年代くらいから、韓国でもコリア系ディアスポラ作家として、注目が集まりつつあるそう。主人公のHanのmentorで、グリニッジに連れて行くKim氏が、故国喪失者の哀感。これくらいのグリニッジって、Sadakichi Hartmannもいたんじゃなかったかな。